土曜の朝8時すぎ。まだ布団の中の僕のスマホに、メールが1通届きます。
件名は「【本日の予定】8/29(土) 買い候補 28レース」。送り主は、人間ではありません。僕が作った競馬予想AIです。

「え、プログラミングできる人の話でしょ?」——って思いますよね。僕もずっとそう思ってました。でも僕は未経験のふつうの会社員で、コードは今も1行も書けません。
どうやって作ったのか。ほんまに当たるのか。いくらかかったのか。
この記事で全部見せます。やらかした事故21件も、勝ててない成績も、隠しません。
書いてる人:アメイロ
プログラミング未経験の会社員です。ここに出てくる競馬予想AIは、僕がClaudeと一緒に作って、今も毎週末ずっと動き続けています。うまくいった話も、盛大にやらかした話も、実物のまま書きます。
高額の講座やスクールは一切必要ありません——このブログを読むだけで、誰でも「自分のめんどくさい」をAIに任せる側に回れるようになります。
ではまず、あのメールの正体から話していきます。
AIから届く2通のメールの正体

朝のメールを開くと、今日どのレースを見ておけばいいか——買い候補の一覧が並んでいます。僕は何もしていません。パソコンの前にも座っていません。
そしてレースが始まる少し前に、もう1通。「【買いシグナル】」から始まるメールです。
こちらは、朝の買い候補の中からさらに厳選された、「この馬は買いや」の合図です。レース直前の倍率まで見て、条件に合った馬だけが選ばれてメールになります。だから、届かないレースの方がずっと多いです。

そもそも「競馬予想AI」って何をするもの?
一言でいうと、過去のレース結果を大量に読み込ませて、「この馬が3着以内に入る確率」を計算させる仕組みです。
イメージとしては、天気予報にいちばん近いです。
天気予報も「明日は雨です」と断言はしません。「降水確率60%」と出すだけです。あとは傘を持つかどうかを人間が決めます。競馬予想AIも同じで、確率を出すところまでが仕事です。
出した確率は、実際の倍率(オッズ)と見比べます。そして「これはお得やな」と判断した時だけ、メールが飛んでくる作りにしてあります。
勝手に届くって、どういうこと?誰かが送ってるわけじゃないの?
誰も送ってないんだ。パソコンが決まった時間に勝手に起きて、勝手に計算して、勝手にメールを出してる。ボクがやったのは「そういう段取りを1回だけ決めた」ことだけなんだよ
この生活が実際どんな感じかは、別の記事にまとめてあります。SUPフィッシング(立って漕ぐボードの上から釣りをする遊び)に行った週末の記録です。
何を作ったのか? 全体像は「4つの箱」でできている


いきなり全部を説明されても頭に入らないので、4つの箱に分けます。この4つだけ覚えてもらえれば、あとは細かい話です。
1. 集める箱 火曜の早朝
前の晩にスタンバイさせておいたWindowsが、
決まった時刻に先週までのレース結果をダウンロード
↓
2. 整える箱 火曜の朝6時
Macが受け取って、1本の大きな表に並べ直す
↓
3. 予想する箱 土日の朝9時
今日出る馬を1頭ずつ見て、確率を計算する
→ 「本日の予定」メールが届く
↓
レースが近づくと、最新の倍率で計算し直す
→ 条件に合う馬がいた時だけ、発走10分前ごろに
「買いシグナル」メール
↓
4. 記録する箱 週の半ば
結果と突き合わせて、成績表を自動で作る
1. 集める箱:ノートパソコンが勝手に起きる
過去のレースデータは、JRA-VANという公式のサービスから買っています。
ただ、このデータを取り込む道具がWindows専用でした。うちのメインはMacです。
そこで、古いWindowsのノートパソコンを1台、データ取り係として置いています。流れは3コマです。


- ✔︎ 前の晩:MacのAIが「明日はデータ取りの日です。Windowsを起動させておいてください」と知らせてくる
- ✔︎ 僕:Windowsを起こして電源につなぐ。仕事はこれだけ
- ✔︎ 翌朝:決まった時刻に、Windowsが勝手にデータを取りに行ってくれている
忘れそうな段取りは、AIの側が覚えていて教えてくれます。
2. 整える箱:バラバラのファイルを1本の表にする
取ってきたデータは、レースの情報・馬の情報・払い戻しの情報が別々のファイルにバラバラに入っていて、そのままでは使えません。


これを1本の大きな表に組み直すのが整える箱。ここは完全に自動で、毎週決まった時間にMacが勝手に並べ直しています。
3. 予想する箱:確率を出して、メールにする
ここが心臓部です。メールが届くまでに、馬は二重の関門を通ります。


- ✔︎ 関門1:過去10年ぶんのレースを学習したAIが、97個の判断材料で1頭ずつ採点
- ✔︎ 関門2:その点数を当日の倍率と見比べて、「これはお得な倍率や」と言える馬だけに絞る
- ✔︎ 両方を通過した馬だけが、買いシグナルとしてメールで飛んでくる
だから、通過ゼロの日も珍しくありません。1日に何十レースもあって、メールに載るのはほんの一握り。「今日は買う馬がいない」を教えてくれるのも、このシステムの大事な仕事です。
しかも、この97個は完成形ではありません。新しい判断材料の候補を、今も裏でテストし続けています。
甘い基準で足すと、過去のデータではよく見えるのに本番で外れる「まぐれの材料」が混ざるからです。テストに合格したものだけが97個の仲間入りをする。この門番の厳しさが、システムの信用そのものだと思っています。
倍率はレース直前まで動き続けるので、朝の計算だけでは足りません。だから直前にもう一度、その時点の倍率で計算し直すようにしてあります。
4. 記録する箱:勝手に成績表ができる
出したシグナルは、全部自動で記録されています。


週が明けて結果のデータが届くと、それと突き合わせて「先週はこうでした」という成績表が自動で作られ、メールで届きます。
この「記録が勝手に貯まる」が、あとから効いてきます。僕の記憶や感覚ではなく、数字で振り返れるからです。
肝心の「どうやって当たる馬を選んでるのか」は教えてくれないんだ?
そこはごめん、書かないでおくよ。理由は2つあるんだ。1つは、まだ検証の途中で人に勧められる出来じゃないこと。もう1つは、真似した人が損をしたら申し訳が立たないこと。だから今日は「どう暮らしが変わったか」の話に絞らせてほしいんだ
書けるところまでで言うと、判断材料は97個。その97個が何なのか、どう組み合わせているのかは、この記事では伏せます。
プログラミング未経験で、どうやって作ったのか


結論から言います。コードは全部AIが書きました。僕がやったのは、日本語で頼むことと、決めることだけです。
使ったのはClaude Code(クロードコード)という道具です。ざっくり言うと、AIが自分のパソコンの中で手を動かしてくれるようになるアプリだと思ってください。
ふつうのAIチャットは、聞いたら答えが返ってくるだけです。Claude Codeは、そこから一歩進んで「じゃあファイルを作っておくね」まで自分でやってくれます。
実際、こんな頼み方をしています
特別な言い方は要りません。日本語でそのまま頼みます。3つだけ実例を出します。
1つ目。
土日の朝9時に、その日の買い候補をまとめてメールで送って
これだけで、朝9時に動く仕掛けと、メールを送る部分を作ってくれました。おかげで土曜の朝にパソコンを開く必要がなくなりました。
2つ目。
先週の結果と突き合わせて、成績表を週1回メールして
これで振り返りが自動になりました。「先週どうやったっけ」を思い出す時間がゼロになっています。
3つ目。
エラーが出た。ログを見て、原因を調べて直して
これがいちばん多いです。壊れた時も、直すのはAIです。僕は「何が起きてるか」を説明するだけで済みます。
つまり今までは僕が調べて手を動かしていたことを、丸ごと向こう側に渡した形になります。
メールを送るための「合鍵」だけは僕が用意した
ひとつだけ、僕がやらないといけない準備がありました。
AIにGmailからメールを送ってもらうには、そのAI専用の合鍵を発行して渡す必要があります。ふだんログインに使っているパスワードは渡せません(というより、Googleが受け付けてくれません)。
この合鍵の作り方は、Gmailアプリパスワードの作り方 に全手順のスクショ付きでまとめてあります。その手順で作った16桁は、今も毎週の自動メールで現役です。
ボクがやってるのは「頼む」「見る」「決める」の3つだけなんだ。手を動かすのは、全部AIの側なんだよ
未経験の僕がやったのは「決めること」
じゃあ僕は何をしていたのか。振り返ると、ずっと判断をしていました。
- ✔︎ 何を作るか決める(「土日の朝にメールが届く」をゴールにする)
- ✔︎ どこまでやらないか決める(実際のお金は当面かけない、と最初に決めた)
- ✔︎ 出てきた数字を疑う(「これ、うますぎませんか?」と聞き返す)
3つ目がいちばん大事でした。AIは頼まれたことをきちんとやりますが、「その数字、おかしくないですか」とは言ってくれません。そこは僕の仕事です。
で、ほんまに当たるの? 正直な数字を出します


いちばん聞きたいところだと思うので、結論から書きます。
今のところ、勝ててません。
しかも「もうちょっとで勝てそう」でもなくて、まだ判定すらできていないというのが正確なところです。順番に出します。
回収率とは?
回収率は、賭けたお金に対して、返ってきたお金の割合です。
買うとこのへん
トントン
勝ち
競馬は仕組み上、何も考えずに買うと80%くらいに落ち着くようにできています。100%の壁を超えるのが、まず大変です。
過去のデータで答え合わせをすると、回収率140%台
「もし過去5年間、このAIの言うとおりに買い続けていたら、お金はどうなっていたか」を計算してみました。結果がこれです。
数字だけ見ると、めちゃくちゃ良さそうに見えます。実際、ここで浮かれました。
実際に走らせたら、回収率100%前後をウロウロしている
ただ、机の上の計算と、本番はまったく別物です。
そこでシャドウランというのをやっています。実際のお金は賭けずに、「もし買っていたら、いくらになっていたか」の記録だけを毎週取る運用です。その結果がこれです。
※ここで言う「不具合」の中身は、判断材料の一部が空っぽのまま動いていた事故のことです。すぐ下の「理由2」で詳しく話します。
机の上では144%、実際に走らせたら100%前後。この落差が、今いちばん向き合っているところです。
そもそも、まだ判定できる回数を走っていない
さらに正直に書くと、この数字自体もまだ結論に使えません。理由は2つです。
え、勝ててもないし記録も無効って、それ続ける意味あるの?
あるんだよ。この仕組みの本当の値打ちは「毎週、勝手に数字が貯まっていくこと」なんだ。人間の記憶に頼ってたら、こんな不具合も一生見つからない。負けてる数字が正しく見えるようになった、それ自体が前進なんだよ
念のため書いておきます。この記事は「これを真似したら当たります」という話ではありません。うまくいくかどうかは、まだ僕にも分かっていません。だから数字は、良い時も悪い時もそのまま出していきます。
【事故ダイジェスト】21件のうち、特に効いた4つ


ここが本音のところです。
作っている間より、動き出してからのほうが事故が多いです。今のところ記録してある事故は21件。全部を書くと1冊になるので、初心者が絶対に踏むやつを4つだけ選びました。
自分に関係ありそうなカードだけ読んでもらえば大丈夫です。
事故から学んだことは、たった3つ
- ✔︎ 「成功」の表示を信じない。中身を見るまで、動いていることにしない
- ✔︎ 黙って止まるのがいちばん怖い。だから、うまくいった時もメールを飛ばす
- ✔︎ 見張りも壊れる。だから最後は、月1回でも人間が数字を見る
事故21件って、多すぎない?普通そこでやめるでしょ
逆なんだ。事故が21件「見えている」のがいいんだよ。見えてない事故がゼロ件に見えてるほうが、よっぽど怖いだろ?
かかったお金は?


「AIで自動化」と聞くと高そうですが、全部でこれだけです。先にまとめを見てください。
順番に中身を説明します。
毎月のお金1: データ代(2,090円)
過去のレースデータを、JRA-VANの「データラボ」という公式サービスから買っています。税込月2,090円です。
毎月のお金2: AI代(110ドル)
Claudeの有料プランです。
- ✔︎ 最初の1ヶ月だけPro(月22ドル)=Claude Codeに慣れる練習期間
- ✔︎ 競馬予想AIを作り始めてからは、ずっとMax(月110ドル)
毎週末フルに働いてもらう相棒なので、ここは必要経費と割り切りました。プランの違いと課金のやり方は、Claudeの課金方法 の記事にスクショ付きでまとめてあります。
毎月のお金3: データの保管庫代(約1,600円)
取ってきたデータをWindowsとMacの間で受け渡すための、Dropboxという保管サービス代です。
最初だけのお金: データ取り係のWindowsのノートパソコン
- ✔︎ 僕は中古で32,720円で買いました
- ✔︎ 新品はいりません。フタを閉じたまま週1回起きて働くだけの係なので、中古で十分
(予想の本体が動いているMacは約15万円でしたが、これは競馬専用じゃなく、このブログを書くのも何もかも全部やっている普段使いの1台です)
趣味としては安くないですが、「何にいくらかかるか」が最初から全部見えているのが自作のいいところです。
真似したい人の最初の一歩は? 3ステップ


「同じようなものを作ってみたい」と思った人へ。やることは3つだけです。
競馬でなくてもかまいません。家計簿アプリを作るでも、写真の整理でも、入口はまったく同じです。
ステップ1:AIの有料プランに入る
まずここです。無料プランで使えるのはチャットだけ。AIに自分のパソコンの中で手を動かしてもらうClaude Codeは、有料プランでないと使えません。
料金と申し込み手順は Claudeの課金方法 にまとめています。
ステップ2:Claude Codeを入れる
AIが自分のパソコンの中で手を動かせるようにする、というステップです。
初心者の方には、ふつうのアプリと同じ感覚で使えるデスクトップ版がおすすめです。
ステップ3:「こんなのを作りたい」をチャットで相談する
いきなり作り始めないでください。まずはふつうのチャットで、作りたいものを相談するのがコツです。
たとえば、こんな感じで十分です。
競馬の予想をAIにやらせてみたい。プログラミングはできない。
何が必要で、どんな順番で作ればいいか、一緒に考えて
するとAIが「何が要るか」「どこから作るか」を一緒に整理してくれて、作るものの見取り図ができあがります。その見取り図を持ってClaude Codeに「ほな作って」と頼む——僕の競馬予想AIも、この流れで生まれました。
相談する文章は、下手くそでも大丈夫です。言い方が多少ぐちゃぐちゃでも、何が言いたいのかはAIがほとんど汲み取ってくれます。作る前に、相談をする。これが未経験者の最強の武器です。
🚩 とりあえず、ここまでで合格
全部を一気にやろうとすると必ず止まります。なので線を引いておきます。
ステップ3の相談で「見取り図」ができたら、その日はもう合格です。
あとは、その見取り図を実際に作業してくれるClaude Codeに頼むだけです。
まとめ:未経験でも、AIに任せる側に回れる


最後に3行でまとめます。
- ✔︎ データ集めから予想・メールまで、全部自動で動く仕組みを未経験で作れた
- ✔︎ ただし勝ててはいない。判定は2026年10月中旬まで持ち越し
- ✔︎ 書いたコードは0行。やったのは「頼む」「見る」「決める」の3つだけ
この連載では、これから中身をもっとバラしていきます。
事故21件を1件ずつ掘り下げる事件簿と、収支をグラフで見るために僕が作ったWebアプリの話。この2本は近いうちに書きます。
そして肝心の成績は、良くても悪くてもそのまま出していきます。負けている数字を隠さないことだけが、この連載の値打ちだと思っています。
プログラミングができるかどうかは、もう入口の条件ではありません。始まりはいつも、「こんなことも、AIとだったら作れたりするの?」という好奇心と思いつきです。
そして、その思いつきの一番の栄養は、他の人が実際にAIに何をやらせているか・何を作っているかを見ることです。下の実例集から、自分の「作ってみたい」を見つけてください。
面倒なことはAIの相棒に任せて、空いた時間で好きなことをどんどんやっていきましょう!





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